「コダーイ」や「コダーイシステム」など聞いたことはありますか?
幼児教育や子育てなどを専門に学習している方は知っているかもしれませんが、日本ではまだ知名度の低い教育法です。
世界には様々な教育法・保育が存在し、日本でも普及しているものも増えてきました。今回はその中でも、音楽を使って育てるとてもユニークな教育法『コダーイ』を紹介します。
小さいお子さんがいるご家庭や、これから子育てや教育法をどうするか悩んでいる人は必見です。
遊び心満載の「コダーイ」とは?

「コダーイ」とはハンガリー出身のコダーイ=ゾルターンが提唱した教育法です。 ゴダーイは1925年に児童向け2曲の合唱曲を作った事をきっかけに音楽教育に興味をもつことになります。
1929年には「子どもの合唱」という論文を提唱し、音楽教育の大切さを世に発信しました。
コダーイは「感受性が豊かな子どものうちに質のよい音楽体験をしたことがない人間は、生涯にわたって音楽の恩恵を受けることのできない人間になってしまう」と考え、 学校教育に音楽は欠かせないものであるとしました。
コダーイとは一体どのような特徴があるのか?

- 「わらべうた」から始まる
- ハンドサインを使った教育
- ソルフェージュを重視
「わらべうた」から始まる
コダーイでは、音楽は第二の母語であるという考え方になっています。
「コダーイシステム」の一番の特徴は、自国のわらべうたから音楽教育がはじめるという点です。コダーイは、お母さんがおなかの赤ちゃんのために子守歌を歌うことが音楽教育のスタートだと考えました。
子どもが誕生すると、自国のわらべうたを聞かせます。
わらべうたには、それぞれの国の文化や伝統が入っているため、母国語などを学習する上でもうってつけなのです。小さいころからわらべうたに触れることで、子どもたちは自然と母国について知り、また母国語を学んでいくことができます。
ここで重要なのは、決して「外国の歌を学ばない」というわけではありません。
まずは母国の音楽に触れ、母国語を覚えてから外国の音楽に触れ、外国の言葉や文化を学んでいきます。
ハンドサインを使った教育
「コダーイ」が音楽を通じて大切にしていることの中に”内的聴覚”という要素があります。”内的聴覚”とは自分の頭の中で音を思い浮かべる事が出来る音楽的能力のことを言います。この力なくして、歌ったり、演奏したりすることができません。
この内的聴覚の発達を促すのが「ハンドサイン」なのです。
保育士は歌を流しながら、子ども達にハンドサインで次の音を提示して行きます。それにより子どもたちは次の音を頭で何のかを頭で考えるようになります。この手法が内的聴覚を発達させることにつながります。
日本ではよく手の動きや体を使って表していることが多いです。
ソルフェージュを重視
「ソルフェージュ」とは音楽の基礎力をつくるものです。
ピアノを習っていた人は聞いたことがあると思います。
「ソルフェージュ」とは、楽器などを演奏する上で無くてはならないこと、音の読み書きを指す言葉です。
「コダーイ」ではこのソルフェージュを重視し、楽譜を読む導入として、音階ををハンドサインで表現し、文字譜と呼ばれるレターサインを使い、小学生くらいの年齢の子どもは音楽を理解し、レターサインで書く練習もします。
またコダーイの学習では、たとえ音楽の調子が変わっても、ドの位置を移動させることでうたうことができる「移動ド唱法(階名唱法)」を取り入れています。「ハ長調」「イ短調」などの調と触れ合うことで、さらに音楽への理解・興味につなげています。
家庭でできる「コダーイシステム」

「コダーイ」の教育法や元々早期幼児教育として取り入れるものです。
上でもお伝えしましたが、赤ちゃんがおなかの中にいてる時から歌を聞かすこと、生まれてからも、わらべうたを聞かすなどして幼少期から音楽に触れさすことで、この時期に大切な「内的聴覚」の発達につながります。
幼稚園や保育園などで「コダーイシステム」を導入している施設であれば、そのまま保育士さんに引き継いで問題ありません。
もし、近くに導入している施設がなかった場合は家庭でハンドサインやレターサインなどを使って遊んでみてください。
何より、教育をしているというより「楽しい」と思わすことが大切です。
まとめ
いかがでしたか?
音楽を通して学んでいくという何とも作曲家らしい教育法ですが、きっちりと論文も提唱され、効果もある幼児教育の一つです。早期教育の中でも、おなかの中から始まる教育はとてもユニークで面白いですね。
ただただ勉強するわけではなく、音楽に乗って、人と関わることで、相手の意思を読み取る力や協調性なども自然と育まれるので良いですね。
日本では知名度は低いけど、面白く興味ををそそるような教育法・保育などは世界にたくさん存在します。
本サイトでもいくつか紹介していますので、参考にしてください。
それでは、日本人のしらない「コダーイ」の世界でした、
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