200年頃、フィンランドが「読解力」で世界1位を獲得したことを
きっかけに日本で「フィンランドの教育」がたちまち話題になり、社会現象にも発展しました。
今ではほとんど耳にすることがありませんが、日本人の中で流行が過ぎただけで、フィンランドの教育レベルは決して下がっていません。
常に世界トップクラスをキープし続ける教育大国のフィンランド
教育の多様化が進んでいる今の日本にだからこそ、知っておきたいことがあります。本記事では、そんなフィンランドの教育の特徴・日本との違いを解説していきます。
目次
フィンランド教育の特徴【日本とここが違う!3つのシステムとは?】

- 教育費が無料
- 教師は尊敬される存在
- 宿題が少なく、授業日数も少ない
教育費が無料
フィンランドの教育の一番の特徴として世界中でも有名なのが
「教育費が無料」という事です。
また、教育費だけでなく、給食費・文房具代、さらに状況によっては交通費まで税金で賄われることがあります。
これは「国民の誰もが公平な教育機会を得られるべきだ」という理念を持っていて、家庭所得の高低に関係なく、同じ水準の教育を受けられるというシステムです。
日本で言う小学校~中学校などの義務教育だけでなく、フィンランドでは高校・大学の授業料まで無料で受けれることができます。
「親の年収と子どもの学力は比例する」と言われ、家庭の所得によって充分な教育を受けることができない国も存在します。
そんな中で、フィンランドは国民全員が同じ教育を受けることができるので高い水準を保つことが出来ています。
教師は尊敬される存在
フィンランドでは教師という職業が尊敬されています。
その理由として、日本などの他国とは違いフィンランドの教育プログラムはとても自由です。授業内容も教師次第という形になっているため、1人の独立した教育専門家という立ち位置になっています。
また、フィンランドの教育養成コースは入学試験が非常に難易度が高く、競争が激しいため、教師になれただけで賢く、精神的にも強い人になります。
日本のように教育学部を滑り止めで受けて、教員資格を得るというのとは違い、フィンランドで教員資格を得るには相当な覚悟が必要です。
この時点で日本と大きな差が生まれていますね。
宿題が少なく、授業日数も少ない
フィンランドは統計的に見ても、宿題・授業日数が日本や他国と比べても少ないです。その理由は2つあり、1つは「自主性」を大切にしていること。2つ目は「自由時間・休息」を大事にしていることです。
①自主性
日本も宿題は当たり前という風潮ですが、国によっては膨大な量の宿題を課せているところもあります。結局は子供だけでは終わらず親が手伝うという結果になっていたりと全く意味がありません。
フィンランドでは、「自主性」を大切にしているので宿題がほとんどありません。その代わり、家庭での「チェーン学習」というものが存在します。
チェーン学習については下記の記事を参考にして下さい。

②自由時間・休息
フィンランドでは、子どもの自由時間や休息時間を大切にしています。
授業日数も比較的少なく、自由時間が多いため、子どもらしく過ごす過程で色んな事に気づき、感受性が養われていきます。
休息をしっかりとることで次の日に備えることもできます。
日本のような詰込み教育ではなく、子どもの時間を大切にしながら自主的に学ぶことを推奨するフィンランドらしい教育法です。
フィンランドの教育の特徴【クロスカリキュラムとは?】

フィンランドの授業のやり方はどうなっているのか?
初めに、フィンランドの学校では授業1コマが45分で、1~2年生は1日に5時間目まで、3年生以上は7時間目まであります。
しかし、上でもお話したようにフィンランドでは教育プログラムが教師の自由です。そのため、授業時間は学校によって、教師によって異なります。
また、授業日数は年間で190日と日本と比べても少なくなっています。
それなのにフィンランドが高い学力を維持しているには理由があります。その1つが「クロスカリキュラム」です。
クロスカリキュラムとは?
「クロスカリキュラム」とは特定のテーマに関係するいくつかの教科・領域を相互に関連付けて学習するカリキュラムのことです。 さらに、クロスカリキュラムを図ることで、生徒は、関連される各教科・領域の授 業を通して、それぞれの授業で用いられる多様な教材とかかわりながら、法教育を学ぶこ とができるというシステムです。
フィンランド教育と日本との違い

フィンランド | 日本 | |
義務教育 | 7歳~15歳(1~9学年) | 6歳~15歳 |
年度 | 8月中旬~6月上旬 | 4月1日~3月31日 |
学期 | 2学期制 | 3学期制 |
教育プログラム | 学校・教師の判断 | 教育委員会などが示す教育プログラム |
やはり大きく異なるのは学期制度と教育方針ですね。
フィンランドは一般的に2学期制ですが、学校などによっては学期制度が異なる場合もあります。
教育プログラムにおいては大きな差を感じます。
教師がマニュアル通りに教え、決められたカリキュラムを詰め込むのに対し、教師や学校の裁量に委ね、教育をするフィンランド。
どっちがいいかは分かりませんが、結果として如実に表れていますね。
まとめ
日本の学力については近年さらに問題視されています。
ですが、今までやってきた日本の教育はそう簡単に変えることはできません。
そこで大事になってくるのが家庭でのありかたです。
上の関連記事でも載せているフィンランドのチェーン学習は家庭で取り入れられるものです。
子どもの将来を考え、早いうちに対策をしましょう。
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